中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

拳銃の登録件数が急増

 地元メディアによると、連邦警察の発表でサンパウロ州内で一般市民が新たに取得した拳銃の登録件数が2004年の22件から12年に1283件に急増していることが分かりました。ブラジル全体で見ると、04年の登録件数は3015件だったが昨年は1万8627件と6倍にも増加しています。
 サンパウロ総合大学(USP)凶悪犯罪研究所のコーディネーターを務める社会学者のセルジオアドルノ教授は「一般市民が武装するようになると、簡単に報復ができてしまうため深刻な結果を招くことになる」と警告し、治安の改善は全市民に対して行う必用があると主張しています。
 過去10年間の拳銃登録のうち一般市民の割合は64%で、残りは警察や民間の警備員となっています。この件数には軍隊によって登録される中古の拳銃、ハンター用、射撃競技用、コレクター向けなどの拳銃のデータは含まれていません。
 04年には国内で初めての銃不所持キャンペーンが実施され、約30万丁の拳銃がブラジル政府に返還されています。しかし12年の返還拳銃数は2万73297丁に減少しており、サンパウロ州では11年から12年にかけて拳銃の返還率が23%に減少しています。