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州議の「土方」発言で物議

 地元メディアによると、セアラー州議会の副議長を務めるチン・ゴメス州議(人文主義連帯党=PHS)がラジオ番組の中で、同州政府がフォルタレーザ市で工事を進めている巨大水族館の建設に「観光客を呼び込む決め手」として支持を表明しました。同館の建設については市民の間に賛否両論が渦巻いています。
 同州議は、この放送で買春目的でフォルタレーザ市を訪れる多くの外国人観光客について「土方」と呼んだことから「職業差別」と物議を醸しています。
 セアラー州のシジ・ゴメス州知事PHS)のいとこに当たる同州議は、10日に放送されたラジオ番組の中で巨大水族館が観光客の誘致につながるとした上で、「差別をするわけではないが、買春目的で欧州や米国から訪れる低所得層の『土方』ではなく、本当に金を持っている観光客がフォルタレーザ市を訪れるようになるだろう」と語りました。この発言が、地元マスコミやインターネット上で大きな反発を呼び、同州議は「セアラーはかつて買春ツアーで知られていた。州政府はそういった状況を変え、中所得層以上の観光客に家族で来てもらう目的で水族館に投資している。土方や召し使いのような連中は外国で金を貯め買春目的でブラジルにやって来る。私はそういう意味で言ったのだが誤解を招いたようだ」と説明しました。職業としての建設作業員に対してマイナスの感情を抱いているわけではないとも弁解しました。
 チン州議によると、セアラー州はイベントセンターの建設を終え、現在は2億7000万レアル近くを投じ水族館の建設に力を入れています。巨大水族館はまだ着工したばかりです。