中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

生活扶助を外国人移民にも適用

 地元メディアによると、サンパウロ市のフェルナンド・ハダッド市長(労働者党=PT)は5日、市内に住む外国人移民のうち最貧困レベル生活者にも、ブラジル政府の生活扶助制度「ボルサ・ファミリア」を適用する方針を発表しました。この決定は1980年に制定された法律(通称=外国人法)に基づくもので、ブラジルでは初めての試みになります。サンパウロ市役所は8〜14日の期間「第2回人権フェスティバル」を開催し、市内各地に外国人移民向けの登録会場を設置します。
 サンパウロ市人権市民局のロジェリオ・ソチーリ局長は、「外国人法は移民もブラジル人と同じ権利が保障されている。この点についてこれまで市役所側に認識不足があった」と指摘し、今回の新たな試みについても「奴隷労働の餌食になりやすい貧困層の社会的立場の弱さに対する打開策であると同時に、市の発展に彼ら移民たちが貢献することを見込んだものである。移民に対する温情によるものではない。むしろサンパウロ市役所の利益を考慮した上での決断だ」と説明しています。
 社会開発省も、2003年にボルサ・ファミリア制度が開始された当初から外国人への支給が保障されてきたとし、「憲法と法律でブラジル人に保障されているすべての権利を、ブラジル国内に住む外国人にも同様に与える」と定めた外国人法を引用し、サンパウロ市役所の決定を支持しています。