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ブラジル人は糖分摂りすぎ ーサンパウロ大学調査ー

 ブラジル人は子どもから大人まで全般的に甘いものが好きといわれていますが、サンパウロ総合大学の調査でそのことが裏付けられました。糖分の摂取量は、世界保健機関では1日のカロリー摂取量の10%が限度とされています。調査で、ブラジル人の全年齢層でカロリー摂取が過剰であることが分かりました。
 この調査はサンパウロ市在住の2100人を対象とし、子ども(0〜14歳)、成人(15〜64歳)、高齢者(65歳以上)に分類、調査前日の食事メニューを調べたものです。これで分かったのは、子どもの約7割(560人)が1日の許容摂取量(50グラム=WHO基準)を超える糖分を摂取していました。過剰摂取の理由として同大学は、炭酸飲料の常飲を挙げています。炭酸飲料常飲は子どもに限らず、成人にも同じ傾向が見られ、調査では37%が過剰摂取していました。性別では、男性の35%、女性40%が過剰摂取傾向にありました。やはりブラジルでも女性の方が「甘いもの好き」のようです。
 65歳以上の高齢者では、糖分の過剰摂取人口は全体の25%で、他世代と比べて少ないものの、コーヒーやお茶に非糖質系甘味料ステビアを多用する傾向が目立ちました。コーヒーを多飲するブラジルでは、ステビア系甘味料は広く浸透していますが、欧米諸国では発ガン性や妊娠障害、生殖器への影響があるとして、認可されていません(注)ステビアの体への悪影響については「科学的根拠は不明」としながらも、栄養学者らは摂り過ぎは勧められないとし、添加物の少ない未精製の黒砂糖や、蜂蜜などが健康に良いとしています。
 注)ステビアの悪影響については、2007年(平成19年)6月に正式なステビア甘味料としての規格がさだめられ、国際的にステビアの安全性が認められました。
 糖分の過剰摂取は、肥満や生活習慣病を招き、もともとは中高年に多かった糖尿病、脂肪肝高脂血症動脈硬化症が子どもにも多く見られるようになっていると指摘し、「食生活を改める必要がある」と栄養学者は警鐘を鳴らしています。
 1日に必要なカロリー摂取量は、成人男性で2650キロカロリー、女性は2000キロカロリーとされ、糖分の許容摂取量は男性65グラム、女性は50グラム、理想的には20グラムとされています。身近な食べ物に使用されている砂糖の量は、コップ一杯(200ml)の炭酸飲料やチョコレートケーキ一切れが20グラム、板チョコ一枚は30グラム、クリームを挟んだクッキー4枚で40グラムといわれます。これを目安に食べるようにするといいでしょう。