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兵庫県産の海苔をブラジルへ輸出

 兵庫県産の高級海苔(のり)をブラジルに輸出することを目的に、兵庫県漁業協同組合連合会のり海藻事業本部の高瀬博文本部長ら3人が16日からブラジル入り、事前調査を行いました。サンパウロ市、クリチーバ市などの輸入業者、日本食レストラン、食料品店関係者などと会い情報収集に務めました。
 今回の調査は、農林水産省からの委託で平成21年度農林水産物等輸出ステップ・アップ推進委託事業として実施しているもので、見込みがあるとなれば輸出を兵庫県漁協連が行うことになります。
 調査団の高瀬本部長の説明では、日本の海苔の年間生産量は90億枚で、そのうちの10億枚を神戸、須磨、明石、淡路島など兵庫県内で生産しています。兵庫県産は、「色が黒くて、艶があり、味が良いのが特徴」で、毎年12月には皇室にも献上しているほどの逸品だそうです。
 ブラジルを輸出先に選んだことについて高瀬本部長は、「世界最大の日系社会があり、海苔の消費量が多いこと。ブラジルでは、中国産、韓国産が多いと聞くが、元々海苔は日本から伝わったもので、ブラジルに住む方々に兵庫県の高品質の海苔の食べていただきたい」と語りました。
 ブラジルでは海苔を食べる習慣が無く、生産もされていません。そのため日本からの土産として海苔が喜ばれます。お祭りなどの時は海苔巻きやおにぎりを造り、その時には必ず海苔を使いますし、とにかく日系社会では海苔の消費が盛んです。兵庫県漁連はここに目を付けたのでしょうが、今では韓国産、中国産が華僑の手によって輸入され、スーパーなどではたくさん売られています。しかし、あまり美味しくないのが実情で、もし兵庫県漁連が売るとなるとそれよりも3倍近い売値になり、果たして消費者がそれでも購入するかどうか、微妙なところです。