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ブラジルの永住権取得への道開く特赦

 ルーラ大統領は2日、不法滞在の外国人を対象に2年間の一時滞在ビザを発給する特別法案(特赦)に署名しました。この一時滞在ビザは2年後には永住権への切り替えも可能で、不法滞在の外国人には干天の慈雨といった法律です。この法律は、ウイリアム・ウー下議(PSDB党、サンパウロ州選出)が提唱、2月に上院、6月4日には下院で可決されていたもので、今回の大統領の署名で正式に発効しました。
 政府は、この法案で約5万人が恩恵を受けると見込んでいますが、ウー下議は「20万人近くが恩恵を受ける」と見ています。特赦の発令は1998年以来、11年ぶり。前回は約39.000人が恩恵を受けました。国家法務局のロメウ・ツーマ長官によると、不法滞在者の大半は中国人、ボリビア人、パラグアイ人、それにペルー人で、彼らが恩恵を受けると見ています。
 大統領が今回の不法滞在者救済措置を行ったのは、外国に不法滞在するブラジル国籍者に対しても同様の措置が取られるよう、イタリアで行なわれているG8でアピールする狙いもあるようです。
 ブラジルには、観光ビザや短期の一時滞在ビザで入国し、ビザが切れた後でもそのまま滞在している日本人の不法滞在者も少なくありません。今回の特赦で、この人たちも大きな顔で滞在できるようになります。