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大統領の「お尻発言」が大波紋

 ルーラ大統領が、「国民はもっと低い金利を探すためにトラゼイロを上げようとしない」と言ったことが政財界からごうごうの非難を浴びています。トラゼイロとは辞典ではでは後部ですが、転じて俗語で「尻」の意に使われています。日本語に訳すれば、「ブラジル国民は低い金利を求めるのに腰が重い」と言った内容になります。ところがブラジルでは、「なぜ重い尻を椅子から上げて安い金利を探さない」と文字通りお尻という俗語を使ったことに非難の声が上がっているわけです。大統領にあるまじき発言と言うことでしょう。
 地元紙の報道によると、パウロ・スカッフ氏(サンパウロ州工連会長)は、「世界にブラジル国民ほど創造的で働き者はいない。動かず座っているなど余り習慣にないことだ。それよりも金利が高すぎる。これは政府の無策による」と強い調子で非難しています。国内工業連盟のモンテイロ会長(下院議員)も、「高金利を消費者に責任転嫁するのは感心できない」と不満を表明しました。
 カルドーゾ前大統領は、「金利市中銀行を管理するのは中銀であり国民の『お尻』云々より中銀を締めつけるべきだ」と語っています。また、ブラジル社会民主党(PSDB)の国対委員長、ヴィルジーリオ上議は「大統領こそ、たまには重い尻を執務室の椅子に据えて、仕事している振りでいいから見せて貰いたい」述べ、外遊で飛び回る大統領を皮肉っています。総じて大統領のお尻発言には、「大統領の口は馬鹿げた発言をする機械みたいなもの。よくも程度の低い発言が湧水の如く出るものだ」と言った反応のようです。