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パラグアイで窃盗団がトンネルを掘削、数百万ドルを盗む

 ブラジルのメディア11日付けによると、パラグアイとブラジルの国境にあるシダーデ・ド・レステでパラグアイの両替商の金庫から数百万ドルを盗まれる事件が起きましたが、このほど窃盗団にはブラジル人も含まれるなど事件の詳細が明らかになりました。

 パラグアイ警察の調べによると、事件を起こした窃盗団は2022年末から1年掛け、最も交通量の多い道路や建物の下を通るトンネル180㍍を掘って両替商内に侵入しています。掘削には先端がダイヤモンドのドリルや液体ダイナマイトなどの特殊な道具を使い、トンネル内の空気を循環するのに扇風機を使っていました。トンネル内部での通信には有線電話が使用されていました。

 トンネル内は高さ約70センチ、幅約70センチの空間しかなく、調べた捜査官は「這ってしか進めない。 湿気、泥、下水が多く、180㍍進むのに3時間もかかった」と話しています。盗まれた金庫は店の地下にあり、窃盗犯は地下に到着すると金庫室の側壁を破壊し、148個の小型金庫を盗み出しています。被害金額はまだ確定していませんが、警察は 200 万米ドルから1,600 万米ドルになると推定しています。

 これまでの捜査でパラグアイ警察は、容疑者3人を特定したと発表しています。首謀者と思われるのが犯罪組織「PCC」と関係のある2人と、トンネル掘りの拠点となった建物の借り主です。同事件ではブラジル連邦警察も協力しており、首謀者と言われるPCCと関係のある他の2人の容疑者を監視しています。 そのうちの1人はすでに銀行強盗で逮捕されており、もう1人は武器密売の容疑で行方を追っている人物です。