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追い詰められるブラジル前大統領

 ブラジル連邦警察は9日、2022年に起きたクーデター未遂事件でボルソナロ前大統領が同クーデターに参加していたと思われる証拠のビデオを押収、公開しました。ブラジルのメディアによると、そのビデオはボルソナロ前大統領のマウロ・シド元副官のコンピューターから押収したもので、同前大統領が招集した閣僚会議で「このまま大統領選での敗北を認める訳にはいかない」と発言していました。

 2022年7月に開かれた問題の閣僚会議は大統領選での敗北を回避する戦略が話し合われており、そこでボルソナロ氏は「権力を維持するための方策」を発動するよう要請しています。この他に連邦警察は、自由党(PL)本部のボルソナロ氏の執務室で、包囲状態の布告と国内の法と秩序の保証の賦課を発表するクーデターの内容を含む文書を発見しており、同ビデオはクーデター関与を補足するものになりました。

 捜査当局は、ボルソナロ氏のクーデターを巡る会議の発言で、「これほど密接に関与していることが明らかになり、捜査は前例のない段階に達している」としています。 一方、前大統領の支持者らは、大統領はクーデターを望んでいるとは具体的には言っていない、と主張しています。

 また、連邦警察は、ロドリゴパチェコ連邦議会議長の逮捕に加え、連邦最高裁判所のアレクサンドル・デ・モラエス判事とジルマール・メンデス長官の逮捕を規定したクーデター草案を発見しています。 この草案には新たな選挙の実施も規定されていました。 警察は、ボルソナロ氏が政権を離れる直前の2022年11月と12月、草案について話し合うボルソナロ氏協力者の会話も入手しています。