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ブラジルはロシア製ディーゼルの最大輸入国

 ブラジルはロシア製ディーゼル油の最大輸入国になりました。ブラジルのメディア13日付によると、2023年度ブラジルは4 億ドルを支払い610 万トンを輸入し、ロシア製ディーゼルの最大の輸入国になりました。輸入量は対前年比 6000% 増(2022年度は10万1000トン)を輸入しています。

 2023年のディーゼル輸入傾向は、主に米国やインドからの輸入量に取って代わりロシア製ディーゼルの輸入増加が見られます。これはロシア製ディーゼルに対する欧州の制裁で、新たな購入者を求めロシアが割引価格で市場販売しているためで、ブラジルの輸入業者が積極的に買い入れた結果と見られています。エネルギー関係のアナリストも「ブラジル政府の策ではなく、安い油を求める業者の動き」と指摘しています。

 ロシアは日量約95万バレルのディーゼルを輸出してきており、この量の約70%は欧州連合と英国向けでした。これが欧州の禁輸措置により、ロシアは売り先をなくしました。このためロアシアは市場で安値販売を始め、これにブラジルの輸入業者が飛びつき、大量に購入したものです。

 ブラジルの貨物輸送、農業のエネルギーはディーゼルに依存しています。早い話が、ブラジル経済の裏の主役はディーゼルで、国内ではまだ30%が不足気味と言われます。輸入業者が安いディーゼルに飛びつくのは当たり前で、今年度の輸入量も若干の増加が見込まれています。
 
 ロシアからのディーゼル輸入増加について、欧米からの圧力は感じられないようです。欧米にはインフレと燃料価格高騰の懸念があり、迂闊には割引されたロシア製品購入に圧力はかけられないという事情もあるようです。