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サンパウロ裁判所、スターバックス運営会社の資産保護要請を認める

 ブラジルのメディアによると、サンパウロの裁判所は7日、ブラジルのスターバックス運営会社サウスロック・キャピタルからの緊急救済要請に応じ、同社資産一部の一時的な保護を認めました。判決の中で判事は、債権者への500万レアルの支払いが延期されたと述べています。

 破産専門家は今回の決定について、「当事者が議論している間、資産の一部は司法サイドが預かる形になる」と説明します。訴訟担当裁判官によると、「停止期間」(再建中の企業の保護期間)を部分的に認めたことは、裁判所がサウスロックの「事実上の資産圧縮」(資産の封鎖)行為を差し止めることが目的です。これで再建を司法が全面的に認めたわけではなく、債務者による強制執行を180日間停止したに過ぎません。

 サウスロック社は31日、債務18億レアルの法的な保護を申請しました。国内の状況が不安定、経済危機(金利、為替レートの変動、インフレ)、新型コロナウイルス感染症パンデミックなどによる利益の減少を申請理由に上げています。実際、同社の売上は2020年に95%減少し、 2021年は70%減、2022年には30%減少しました。

 しかし、スターバックスに限らず、国内の小売業者を含む企業は事業の維持に苦戦しています。裁判所は、サウスロックの再建に司法の面から部分的な助力を与えたに過ぎず、同社の資産の一部を一時的に保護したのみとしています。

 サウスロックは、外部コンサルタントや関係者の支援を受け、従業員、営業店舗数、サプライヤーなど関係者との調整を行い、再建を開始しています。再建の一方、すべての店舗では営業を継続し、店舗を訪れる消費者にサービスを提供しています。