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30年逃亡していたコロンビア人をブラジルで逮捕

 ブラジルのメディアによると、連邦警察は1日、30年近くブラジルで逃亡生活を送っていたコロンビア国籍のレイプ殺害犯ハイメ・ヘンリケ・サーデ・コーマンをアラゴアス州マセイオ市で逮捕しました。現在、マセイオ市の連邦警察管区拘置所に勾留されています。

 ハイメは1994年の大晦日にバランキージャ市(コロンビア)でガールフレンドのナンシー・メストレさんをレイプのうえ殺害、懲役27年を言い渡されました。事件後ハイメはブラジルに逃亡、ベロオリゾンテで実業家として身を立て、結婚して子どもをもうけ、コロンビアの司法から逃れていました。2020年にブラジル連邦警察が逮捕し、バイア州の刑務所で8カ月間服役していました。

 ところが連邦最高裁判所がコロンビア政府から出されたハイメの引き渡し要求を拒否し釈放したため、殺害されたナンシーの父親が控訴、4月、最高裁は釈放決定を覆し、コロンビアへの引き渡しを決定しました。ハイメは最高裁決定の直後、再び逃走し、今回の逮捕に至りました。コロンビアへの引き渡しはブラジル政府に委ねられることになりました。

 ハイメの弁護側は、最高裁の決定を不服とし、逮捕の取り消しを要求しています。一方、ナンシー家族の弁護士は「家族はハイメの逮捕に安堵している」と話しています。