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ニカラグア政府がイエズス会の資産を没収

 ブラジルのメディア2日付によると、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、イエズス会の法人格を取り消し、首都マナグアにあるUCA(中米大学)を含むいくつかの資産を没収しました。イエズス会は「ニカラグア政府は教会を憎み規制しようとしている」と抗議しています。

 イエズス会の公式スポークスマンに任命されたホセ・マリア・トヘイラ司祭は「イエズス会は中米で厳しい状況に置かれ、働くのは非常に困難だ」と語ります。

 1989年、エルサルバドルのUCAで6人のイエズス会司祭と2人の女性が軍に虐殺されるのを、トヘイラ司祭は目撃しました。この事件以来、同司祭は事件の真相を追求しています。この事件の実行犯だった大佐(すでに退役)は2020年、スペインで懲役133年の判決が下りています。事件の首謀者たちの裁判はまだ続いています。

 BBC News Mundo の取材にトヘイラ司祭は「今回のオルテガ政権の行動と1989年のサルバドル政権の行動には類似点がある」と指摘し、「イエズス会の事業閉鎖を意味するものではなく、他の法人とともにイエズス会は、たとえばニカラグアイエズス会の学校を運営し続けることができる」としています。

 続けて司祭は「サンディニスタ政権を批判するような表現をした教会や教会の一部に対する組織的な攻撃の一環」と語り、「彼らが私たちを追放しない限り、ニカラグアに留まる」と述べました。