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ルーラ氏が支持者に「大統領支持派の挑発に乗るな」と要請

 ブラジルのメディアのよると、労働者党の大統領選出馬予定のルーラ元大統領は12日、ブラジリアでの選挙前イベントで、過激な支持者に「選挙に向けた挑発行為と戦う必要はない」と挑発を無視するよう要請しました。ルーラ氏は先週末、フォス・ド・イグアス市で労働者党財務担当だったマルセロ氏がボルソナロ大統領支持者によって殺害されたことについてコメントした後、この要請しました。

 ルーラ氏は「挑発 を受け入れる人間はいらない。これから3カ月間は、街中で(挑発者が)増殖する。ガンジーのように道徳的な教訓を噛みしめる必要がある。戦わなくてもいい。私たちの武器は静寂であり、愛であり、ブラジルの人々の生活を向上させたいという渇望だ」と述べました。

 ルーラ氏の「選挙戦を戦争に変えようとしている」という発言は、マルセロ氏が殺害された後、公の席で初めて発言したものです。12日、各政党はフォス・ド・イグアスの殺人事件を連邦レベルで調査するよう検事総長に要請しました。検事総長は、これはパラナ州での調査が終了した後に考えることだと答えました。

 労働者党はこの事件を、「ボルソナロ政権の行動によって膨らんだ政治的暴力のエスカレーションによるものだ」としています。政治的暴力の増加問題は、11日にルーラ・アルキミン連合の指導者と会談したときの主要議題で、会談では指導者たちは公的なイベントを継続し、支持者が反対者の挑発に乗らないよう指導することが決められました。

 最新のダタフォリャ世論調査では、ルーラ氏が47%、ボルソナロ氏が28%の支持率です。

 この日の演説でルーラ氏は、「当選したら、ボルソナロによって消滅した文化省を再興する」と公約し、「各州都に文化委員会を発足させ、二度とこの国の文化を終わらせる蛮行は行わない」と述べました。続けて「いわゆる神風PEC(憲法修正案)の承認を得て、年末までに400レアルから600レアルに上昇する生活援助金を最貧困層は受け取れるようにする」とも強調しました。