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アマゾン・サミット前日に先住民デモ隊を銃撃

 ブラジルのメディアによると、森林伐採、鉱業、先住民問題、石油探査拡大の可能性についてアマゾン関係国首脳が議論するアマゾン・サミットが8日、パラー州ベレン市で始まります。同サミットでは同地域の社会的・持続可能な開発を促進し、地球上で最大の熱帯雨林の住民を保護するための解決策について議論されます。

 首脳会議を前に7日、アマゾンでの石油探査に反対するデモを行っていた先住民指導者3人(女性2人と男性1人)が銃撃されました。このデモは30日に先住民の青年が射殺された別の暴力事件の捜査の迅速化を求める意味も含まれています。この事件では、司法長官が連邦警察とフナイ(先住民保護庁)に対し、事件に対する措置について情報を求めています。

 デモ隊3人が銃撃された件では、パラー州の市民警察と軍警察が捜査を始めていますが、まだ詳細は明らかになっていません。デモ関係者は銃撃された3人以外にも2人の先住民が行方不明になっているとしています。

 デモ隊が強く訴えているのは石油開発の中止で、デモにはコロンビアのペトロ大統領も加わり、石油探査を減らす必要性を訴えました。ブラジル政府は環境優先を約束していますが、石油・ガス開発については約束していません。ルーラ大統領はベレン河口での石油探査について、「探査するペトロブラスは環境に細心の注意を払う。アマゾン河口での石油探査は夢がある」と前向きな姿勢です。

 ルーラ政権はブラジル環境・再生可能天然資源院に対し、ベレン河口での石油探査許可をペトロブラスに出すよう圧力をかけていると言われます。しかし、環境保護論者は、環境への影響の可能性を考慮し、この探査を批判しています。