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コロンビアで大統領反対のデモが勃発

 ブラジルのメディアによると、50日前に就任したコロンビアのグスタボ・ペトロ大統領に対し26日、数千人が「アウト、ペトロ」と叫び抗議デモを実施しました。大統領の富裕層への増税や土地改革などの提案に反対するデモで、デモ隊の一人は「大統領は一般的な政策転換を約束したが、腐敗した政治家たちに囲まれており、これは不正行為だ」と強調しました。

 首都ボゴタでは、抗議者たちが中心部の通りをデモし、大統領本部に隣接するボリバル広場に集まり気勢をを上げました。一方、メデジンでは、NGO報道の自由のための財団」が「テレメデジン(国営チャンネル)のチームがデモ隊から暴行を受け、取材を断念せざるを得なかった」と非難しています。デモはボゴタメデジンの他、カリ、ブカラマンガなどの州都でも行われました。

 ペトロ大統領は政策実現のため、議会内に多数派議員連盟を結成、富裕層への増税、石油探査抑制、土地を持たない農民に肥沃な土地を分配する農地改革などの法案可決に努力しています。法案の狙いは、貧困と不平等に対する社会政策の財源として、上流階級からより多くの税金を徴収することです。連邦議会では現在、これらが審議中です。

 ペトロ大統領の登場で、先住民や小作人による数十カ所の土地の強制占拠に拍車がかかったのは確かです。こうしたことから大統領反対派はデモで、「私有財産を尊重せよ。ペトロは生産の代わりに犯罪を奨励するな。ゲリラの大統領を持つのは不名誉だ」などと訴えています。