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国士舘大学舘長が移民110周年で訪問

 昨年創立100周年を迎えた国士舘大学の柴田徳文舘長がブラジル日本移民110周年記念式典出席のためブラジルを訪問しています。柴田舘長は17日から26日まで滞在、ブラジル日本語センター、文協、アリアンサ、国士舘スポーツセンターを訪問のほか、アマゾンのベレンも訪問予定です。

 同大とブラジルとの関係は戦前まで遡ります。1930年、国士舘の理事を務めていた上塚司が、アマゾン開拓の中堅指導者育成のため「国士舘高等拓殖学校」を設立、翌31年から34年まで「高拓生」と呼ばれる日本移民を送り出し、彼らはアマゾン河流域でジュート(黄麻)栽培に取り組み成功しました。この成功でブラジルはジュート輸入国から輸出国へと変貌し、「高拓生」の大きな功績とされています。

 戦後になり同大はアマゾン移民50周年(1979年)に慶祝団を派遣し、高拓生と面会し慰労しています。当時の舘長は梵天(ぼんてん)氏(故人)で柴田舘長も同行していました。ここで柴田館長は高拓生から、「自分の子孫が日本人じゃなくなっていく」と言われたことに衝撃を受け、日本文化の継承を手伝おうと、サンパウロに「国士舘大学協会」を設立し、翌80年にはベレンにも「パラー国士舘大学協会」を立ち上げ、空手や剣道を教育する武道場を設けました。

 同大とブラジルの長い関係から柴田舘長は、日系社会が直面している日本語教育問題についても関心を示し、「日本語教育を目的とした人材育成学部を創設して10年以上が経った。ブラジルでの(日本語教師の)必要性を(同学部の)生徒に伝えたい」と協力を表明しました。