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デンマークがブラジルに貴重な歴史的遺産を返還

 ブラジルのメディア6日付によると、デンマーク国立博物館が所蔵する貴重な「トゥピナンバ族のマント(袖が無く肩から腕をおおう外套)」が近く返還されます。トゥピナンバ族は、16世紀頃にブラジルの沿岸部各地に居住していた先住民族で、同時代に彼らが作った工芸品の一つです。同タイプのマントは世界に11点しかない貴重なもので、返還されるマントは当時のアマゾン探検隊が持ち帰ったとされています。

 マントは、バイア州沿岸に生息するグアラという鳥の赤い羽で作られています。羽はトゥピナンバ族の技法でメッシュ状に縫い付けられていて、高さ約1.80メートルで、幅80センチの大きさです。マントは300年以上もデンマークで所蔵されていました。返還後は、リオデジャネイロ国立博物館の新しいコレクションに加えられる予定です。

 ブラジルから持ち帰られた同博物館のコレクションは当時の工芸品など2,000点以上あり、返還されるのはその中の一つに過ぎません。現存するマント11点はすべてヨーロッパ(デンマーク、イタリア、スイス、ベルギー、フランス)の博物館に所蔵されています。デンマーク国立博物館は「他のブラジルの歴史的遺産の返還要求はない」と語っています。