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麻薬売人がコロンビア大統領に選挙資金提供

 ブラジルのメディアによると、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領の息子ニコラス・ペトロが29日にマネーロンダリングと不法富裕の容疑で逮捕され、3日、法廷公聴会で「麻薬売人が父親の選挙運動に資金を提供していた」と証言しました。この証言に出てくる麻薬売人は、米国で麻薬密売で有罪判決を受けたサミュエル・サンタンデール・ロペス・シエラで、コロンビアの密輸タバコ市場を独占していたことから「マルボロ男」と呼ばれる男です。

 ニコラスは公聴会で、このシエラから多額の金銭を受け取り、「その資金の一部は自身も使用し、2022年の大統領選挙キャンペーンでも使った」と衝撃の発言をしました。

 これに対し司法長官事務所は、ニコラスは昨年当選した父親のペトロ大統領の選挙陣営から資金を横領した兆候があると指摘しています。ニコラスの元妻も逮捕されていますが、彼女は雑誌に、「ニコラスは麻薬密売人から72万レアルに相当する寄付金を受け取っているはず」と語っています。ペトロ大統領はソーシャルメディアで息子の逮捕を嘆きながらも、捜査には介入しないと言明しています。