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米国務長官がブラジルでベネズエラ大統領批判

 ブラジルのメディアによると、ポンペオ米国務長官が18日、訪問先のロライマ州ボアビスタ市でベネズエラのマドゥーロ大統領を「彼は自国を破壊し、麻薬の売人でもあることを忘れてはならない。米国民の生活にも悪影響を与えている」と批判しました。続けて、「ベネズエラの民主主義を確実にすることが必要であり、我々はマドゥーロ大統領をそこから連れ出すつもりだ」とも語りました。

 ブラジルのアメリカ大使館によると、「今回のブラジル訪問の目的は同地のベネズエラ人移民への米国の支援強化を明らかにするためで、新たに3000万ドルをブラジルに送る」としています。

 一連の米国の行動と発言に中国は「南米旅行中のポンペオ長官の言動は傲慢だ」と批判しました。また、ブラジルのマイア連邦下院議長も、米国大統領選挙の46日前に国務長官がロライマを訪問したことを非難しました。議長は「国際的な外交慣行に沿ったものとはいえず、内政干渉だ」と批判しています。

 今回のポンペオ長官のブラジル訪問は南米各国訪問の一環であり、ブラジル訪問の前にガイアナスリナムを訪問、ブラジルからはコロンビアを訪問します。

 南米訪問はベネズエラのマドゥーロ政権の批判に重点が置かれており、米国司法省は3月、マドゥロ大統領の刑事告訴を行い、4月にはトランプ米大統領が、カリブ海での麻薬取引の取締強化のためベネズエラへの海軍船の派遣を発表しています。ただ一部には、大統領選戦略の一つとの批判もあります。