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ブエノスアイレス市のジェル購入は感染予防か愚策か

 ブラジルのメディア5日付によると、ブエノスアイレス市保健省が推進するある取り組みが、アルゼンチン国内で物議を醸し、世界的に注目されています。現地紙がブエノスアイレス市が性的潤滑剤のジェルを1瓶あたり500米ドルで合計100万個を購入したと報じたため、購入の是非が論議になっているのです。

 市政府は「潤滑ジェルの使用は、性的関係におけるコンドームの破損の可能性を減らし、その結果、性感染症を予防する。特にアナルセックスの実践に推奨されるツールだ」と購入理由を述べています。

 この購入には野党の政治家から「5億(アルゼンチンペソ)も費やして購入が必要なのか」と批判が上がっています。この批判に衛生士が反論し、「購入は国民を大切にする取り組みだ。私たちは管理し、法律を遵守し、住民に配慮している。セクシャルヘルスの予防・ケア用品の購入は、今に始まったことではなく、常に行われてきたことだ」と指摘しています。

 この製品は薬店では2,000ドル近くで売られているそうですが、市は500ドルで購入したといいます。市当局は「コンドームを購入すると2gのジェル(小袋入り)が付けられているが、すべての人が両方を使用しているわけではない。100グラムの瓶であれば廃棄されずに済む」と説明し、「100グラムの瓶が必要な方には配布する」としています。