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ブエノスアイレス市は優勝祝賀で負傷者350人が出る騒ぎ

 W杯カタール大会で18日にアルゼンチンがフランスを破って優勝しました。その日以降アルゼンチン国内では優勝を祝う混乱が続いています。ブラジルのメディアによると、選手団が帰国した20日は選手を乗せたバスが通過するのを見ようと電柱、橋、屋根、木、信号機などに上り、転落する人が出る騒ぎになりました。中には選手団の乗ったバスの上に落下する人まで現れたといいます。

 救急隊によると、この騒ぎで首都ブエノスアイレス市では18日以降、市内で350人近くの負傷者が出ています。選手団が帰国した20日だけで340人以上の負傷者が出ました。そのうち8人は腕や脚を骨折する重傷といわれます。SNSで公開された動画には落下する人たちの様子が映し出されています。

 選手団はオープントップバスブエノスアイレスの街中をパレードしながら移動する予定でしたが、押し寄せたファンで身動きが取れなくなり、警察がヘリコプターで選手立ちを移動させました。選手たちはバスからヘリコプターに乗り移り、市内を飛行したのです。大統領府報道官がツイッターに、「落ち着いて愛と賞賛を示し、祝いましょう」と書き込むほどでした。  

 選手たちがブエノスアイレス中心部をパレードしなかったことにファンは落胆しましたが、街頭では勝利を祝う声は絶えませんでした。ファンの1人は「警備陣はアルゼンチン人のサッカーに対する思いを甘く見ていた。しっかりと組織的な警備をしていたら、こんな混乱は起きなかった」と嘆いていました。