中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

石油の恩恵でベネズエラ経済が復活

 ブラジルのメディア10日付けによると、10年近く停滞していたベネズエラ経済が復活、ラテンアメリカで最も経済成長率の高い国のひとつになると予想されています。ラテンアメリカカリブ海経済委員会(ECLAC)が発表したもので、ベネズエラ経済は今年12%、来年は5%の成長を遂げるとしています。

 同委員会は、ベネズエラ経済拡大の理由に2022年の原油生産量が2021年比で約20%増加することと原油価格の上昇を挙げています。ちなみに同委員会は、ブラジル経済の今年の成長率は2.6%、2023年は1%と予想しています、一方、アルゼンチンの経済は、今年は3.9%、来年は1%の成長と予測しています。

 ベネズエラの経済拡大を上回る成長を期待されているのが、膨大な量の石油が発見されたガイアナです。同委員会はガイアナの成長を2022年には52%、2023年には30%の伸びと予測しています。ガイアナの石油掘削の歴史は新しく、ここ2年間のGDPの大幅な増加は石油の新規発見が寄与しています。

 世界有数の石油埋蔵量を誇るベネズエラよりもガイアナが高い成長率なのは、人口規模の違いです。ベネズエラの人口は約2,850万人ですが、ガイアナは100万人に届かない約80万人の人口に過ぎません。委員会はこの違いが成長率の差になっていると指摘しています。

 ベネズエラは米国などから経済制裁を受けていますが、米国はシェブロン社に対し、3年ぶりにベネズエラの石油生産と輸出事業を再開することを許可するなど制裁緩和に出ています。ベネズエラマドゥロ政権と野党が対話再開したことを受けて行ったものです。