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論議を呼びそうなテロ法改定案

 ブラジルのメディアによると、ボルソナロ大統領は25日、警備員などの自衛範囲を拡大するテロ法を改正する法案を議会にに提出すると発表しました。この提案は自己防衛とテロの定義を変えるもので、法律の専門家は「これは殺人のライセンスで、違憲だ」と見ています。

 現在は、自衛の遂行には緊急避難の状態、実力行使する場合には法的義務の厳格遵守が求められています。今回の法案には緊急避難の解釈を緩和し、違法性を排除しています。相手が攻撃を停止した場合でも、自分自身または他者を守るために防御手段を使用し続けることが容認され、相手を傷害または死亡させる意図があったと証明された場合にのみ過剰防衛と見なされます。

 今回の提案を専門家は「行動中の警察官(市民も)は、自分たちで判断し、合法でなければならない自己防衛の基本的な要件を脇に置いて判断をするだろう」と指摘し、これは「殺しのライセンスに等しい」と述べています。

 また、別の法学者は「政治的または宗教的なデモなどの暴力があるが、デモずべてが暴力ではない。この法案は、社会運動を犯罪化することを求めている」と指摘しています。

 ボルソナロ大統領はこの法案について法務省のイベントで、「社会は力関係で動いている。こんな中で警察官が任務を遂行しても、廷吏の訪問ではなく、功労のメダルを受け取れるようにすることが必要だ」とテロ法改定の必要性を述べました。