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選挙選に「ボルソナロ」「ルーラ」氏が続々登場

 ブラジルメディアによると、ブラジルの地方選挙開始を前に奇妙な出来事が進行しています。27日現在、選挙裁判所には50万人以上が出馬登録をしていますが、議員候補者の中に有名な議員の名前で出馬するのが流行っているのです。専門家は、有名な政治家の名前を借用しても、当選するとは限らない、と指摘しています。

 判明しているだけで、市会議員候補の82名と市長候補2名がボルソナロを名乗っています。アマパ州のわずか3万9千人の住民しかいない小さな市の議員候補の一人は「ジェイル・ボルソナロ」と大統領の名前そのままです。もっと傑作なのは、サンタカタリーナ州内の市議候補者で、ご丁寧に「ドナルド・トランプ・ボルソナロ」という名前で出馬しているのです。変わっているのはリオ市議候補者として大統領の息子カルロス・ボルソナロ氏と大統領の元妻オジェリア・ボルソナロ氏が争っています。

 ルーラ前大統領名も人気です。大都市の市議候補者の24人が「ルーラ」名を借用しています。全国的に見ると議員候補の76人と市長候補者2人が「ルーラ」を名乗っています。

 各候補者は選挙のためだけに「ボルソナロ」「ルーラ」に名前を変更したのか、それともすでにその姓を持っていたのかはわかりません。

 セルジオ・モロ前法務大臣の名前を名乗る人も4人います。ゴイアス連邦大学(UFG)のペドロ・ムンディム政治科学教授は、政治で有名な名前を採用する戦略は、必ずしも当選に結びつくとは限らないと語っています。教授によると、「有権者は候補者がボルソナロやルーラではないことを知っており、ボルソナロやルーラの政策を踏襲しているとアピールする程度の効果」と語っています。