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権利を制限する法案が議会を通過=エル・サルバドル=

 ブラジルのメディアによると、中米エル・サルバドル議会は27日、自由な集会を制限し、拘留された人の権利を制限する1か月間の例外制度を承認しました。ナジブ・ブケレ大統領が「暗躍するギャング段の行動を阻止するには、この措置が欠かせない」と26日に議会に提案していたものです。

 議会が承認した例外制度でナジブ大統領がすべての権力を掌握することになります。例外制度には自由な集会、通信の自由の制限、裁判所命令なしに拘禁、拘禁理由は拘束後に明らかにされ、行政拘禁の期間を72時間以上延長するなどが盛り込まれています。

 エルサルバドル憲法は例外規定で、「戦争、領土侵略、反乱、扇動、大災害、エピデミック、一般的な災害、一般大衆の深刻な混乱の場合」には権利が一時停止されることを定めています。

 国家市民警察(PNC)はツイッターに、「ギャングとの戦争で後退することはない。犯罪者を捕らえ裁判にかけるまで休まない」と記しています。

 元左翼ゲリラの野党議員は、「現在の危機には、殺人ではなく常識と知恵が必要だ。個人の権利の無制限の尊重が必要だ」と話しています。