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荒れるチリで大統領が訴えられる

 アジア太平洋経済協力首脳会議が中止に追い込まれるなど国民の抗議活動が続くチリで6日、セバスチャン・ピニェラ大統領が人権に反する罪で訴えられました。裁判所は、大統領に対する訴えを受け付けると表明しています。

 訴えたのは人権団体を代表する弁護士で、抗議活動中に20人が死亡し、数千人が負傷したとしています。弁護士は殺人、拷問、性的虐待などの報告もあるとも指摘ています。首都サンティアゴでデモ中に目を負傷した抗議者と連帯するとして、黒い服を着て、目に眼帯をつけた女性らも抗議に立ち上がっています。

 訴えを受けた裁判所は検察に調査を求め、準備を始めるよう指示しています。国立人権研究所は、1,778人が負傷し、約5,000人が拘束された、としています。

 訴状によると、10月18日から警察と軍が殺人、拷問、非合法の制限、性的虐待を行ったと主張しています。現在、サンチャゴやその他の都市の治安を軍が担当しています。

 ピニェラ大統領は、警察による過剰警備よる苦情が殺到していることについて、「隠すものは何もない」と話しています。ただ、政府要人の中には警察や軍の人権侵害の可能性を認める発言をする人もいます。