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エクアドル議会で大統領弾劾を討議

 ブラジルのメディアによると、エクアドル議会は26日、ギジェルモ・ラッソ大統領の弾劾請求に関する討議を再開しました。国内は2週間にわたって燃料価格上昇に対する先住民の抗議行動が行われ、政権反対派は「これは深刻な政治的な危機」として大統領の責任を問うています。弾劾請求討議は25日から行われており、この日はラファエル・コレア元大統領(社会党)に関係する「希望の党」が「ラッソ大統領は政治危機を引き起こしている」とする書簡を発表後、弾劾討議を再開しました。

 大統領の弾劾には、議員137人のうち92人の支持が必要です。議会では討論の後、72時間以内に賛否の投票が行われます。可決されれば、直ちにアルフレド・ボレロ副大統領に権力が移り、残り期間(2025年まで)を務める大統領選挙と議員選挙が実施されます。ラッソ政権の反対派は、大統領罷免要求に必要な47の署名を集めたとしています。

 ラッソ大統領は左派の対立候補を破って1年前に大統領に就任した保守派の銀行家です。大統領は討論会に出席せず、法律顧問のファビアン・ポゾ氏に、「議会のメンバーは民主主義を不安定にしようとしている」という弁明書を読み上げさせました。また、大統領はCNNのインタビューに「デモを先導するエクアドル先住民連合のせいで混乱が生じている。彼らは社会的闘士ではなく、政府を転覆しようとするアナーキストだ」と答えています。

 これに対しコレア元大統領の妹ピエリーナ・コレア議員は「早期選挙にしよう、ラッソを帰らせよう」と主張しています。首都キトだけでも約1万人の住民が「アウト・ラッソ、アウト!」の掛け声とともに抗議活動を行っています。人権団体によると、キトでの大規模なデモを警察が弾圧、3人が死亡し、100人近くが負傷したとしています。