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日本人の音楽研究者がバイクに轢かれ死亡

 地元メディアによると、ペルナンブコ州オリンダ市で11月27日、同州レシフェ市で約10年に渡り音楽活動を続けている柴田サナエさん(31)がバイクに轢かれ死亡しました。警察はバイクによるひき逃げとみて捜査を進めています。柴田さんは東京都出身で、2003〜05年に駐レシフェ日本国総領事を務めた柴田進氏のお嬢さん。事故発生後に病院へ搬送されましたが、昏睡状態のまま29日に死亡が確認されました。社会安全オペレーション統合センターによると、事故現場にはカメラが設置されていたものの、事故発生時の映像は記録されていませんでした。
 柴田さんは、ペルナンブコ国立総合大学で研修生としてブラジル北東部の文化を学び、人類学教育プログラムの研究を行っていました。07年からは国立歴史美術遺産院で研究者として無形遺産の調査活動に携わっています。ミュージシャンのエウデス・シリアーノ氏は、「彼女は誰よりも我々の文化のために働いてくれていた」とコメント、ブラジル北東部の音楽を専門に扱う「パッサディスコ」店のファビオ・カブラル店長も「サナエは作曲家のブラウリオ・タバレス氏やアコーディオン奏者のテレジーニャ氏らとの親交も深く、彼らと日本とのパイプ役を買って出てくれていた」と語っています。
 柴田さんは、ブラジル以外のメキシコ、キューバパナマ、スペイン、ホンジュラスでも生活したことがあり、フェイスブックのプロフィール写真には自身がホンジュラスから持って来たバイオリンを演奏している写真を投稿していました。フェイスブックで柴田さんは、ブラジル北東部の音楽に傾倒していることに触れ、「どこでも最高の音楽のある場所に自分はいる」と書いています。