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インドネシアでブラジル人の死刑執行

 オ・エスタード紙によると、インドネシアにコカインを持ち込んだ罪で2004年に死刑判決を受けていたブラジル人男性のマルコ・モレイラ死刑囚(50)の死刑執行が数週間以内に行われることが、インドネシア政府の発表で明らかになりました。同死刑囚は2003年にコカイン13.4キロをパラグライダーの骨組みに隠しインドネシアに入国しようとしたところを逮捕され、死刑の宣告を受けていました。国外でブラジル国民が死刑を執行されのは史上初めてのことです。
 インドネシアでも08年以来4年ぶりの死刑執行です。インドネシアにはモレイラ死刑囚のほか、ブラジル人男性1人を含む約30人の外国人死刑囚が収監されており、その半分以上が麻薬密輸容疑によります。モレイラ死刑囚は、リオ出身でハンググライダーのインストラクターをしていました。1997年にパラグライダーの落下事故に遭い、治療代を支払うため麻薬密輸に手を染めていました。
 死刑決定により、モレイラ死刑囚とパキスタン人2人の死刑囚には銃殺刑が執行される予定です。モレイラ死刑囚は最後の願いとして、ウイスキーのシーバス・リーガル1瓶を希望したと伝えられています。
 ブラジル政府は、判決当初からインドネシア政府と減刑交渉を続けてきました。06年と08年にはインドネシア大統領に恩赦も要請しましたが、2回とも却下されました。