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麻薬所持で逮捕された男の華麗な遍歴

 ブラジルのメディアによると、警察は8日、サンパウロ州プレジデンテプルデンテ市でラファエル・マルケス・ルスヴァルギ(36歳)をマリファナ、コカイン、弾薬を違法に所持していたとして逮捕しました。ラファエルは1年前、ウクライナでテロ容疑で逮捕されましたが、仮釈放され、1カ月前にブラジルに戻っていました。

 調べによると、ラファエルは住んでいたプレジデンテプルデンテの家に、マリファナ25キログラム、コカイン、9mm口径の弾薬350個を隠し持っていました。警察はそれらと現金、数枚のパスポート、精密な秤、出所不明のオートバイを押収しました。ラファエルは警察に、「数週間前、サンパウロ市で仕事を探しているとき、友人の紹介で会ったこともない人に月額 3,000レアルで麻薬と弾薬の保管を頼まれた」と供述しています。

 逮捕されたのはラファエルと一緒にいた25歳の少年の2人でしたが、少年はコカイン4グラムを購入するため同行していたと判り、釈放されました。逮捕のきっかけは警邏中の警察官が2人の行動に不審を覚え職務質問したところ、答えた身元がでたらめで、問い詰められたラファエルは、サンパウロ州ジュンディアイの生まれで、頼まれて弾薬や麻薬を隠し持っていたことを白状しました。

 ラファエルが語る彼のプロフィールは実に変化に富んでいます。
 彼はハンガリー出身の家庭に4人の兄弟の長男として生まれました。母親は教師、父親はミナスジェライス州でビジネスマンをしており、両親は離れて生活しています。10代の頃、農学技術者コースを受講していました。
 ここから変化に富んだ生活が続きます。18歳のとき、フランスの外人部隊に参加し、そこで3年間勤務しました。その後ブラジルに戻り、サンパウロ憲兵隊に入隊しました。しかし、直ぐに憲兵隊を辞め、今度は医学を勉強するためロシアに行き(2010年)、ロシア軍に加わろうとしましたが果たせず、コロンビアに行き、コロンビア革命軍に加わりました。ここも長続きせず、ブラジルに戻り,サンパウロ州インダイアツーバのコンピューター会社に就職しました。しかし、2014年6月に反ワールドカップ運動に参加、警察に逮捕されたことで首になりました。