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スザノ福博村で日系人と犯人が銃撃戦

 今年入植80周年を迎えたスザノ福博村(上野ジョルジ同村会会長)で10月29日、同村在住の日本人1世、黒木穣(くろき・じょう)さん(61、宮崎出身)が、覆面をした強盗グループ3人と銃撃戦になり、顔面に被弾して死亡しました。犯人3人の内1人も黒木さんの銃弾を受け負傷した模様ですが、3人とも逃走しました。
 同村近郊の大和(やまと)植民地でも、2週間前に4件の強盗被害があり、同24日には地元警察関係者と村関係者たちが集まり治安対策会議を行ったばかりでした。福博村会の上野会長は、「個人個人が自分たちの身を守っていくしかない」と、警戒を強めています。
 上野会長の話によると、29日午後8時半頃、黒木さん宅の夫人の部屋の窓から覆面をした強盗グループが押し入り、夫人を脅してサーラ(応接室)まで連れて行きました。そのとき錠さんが強盗の侵入を知り、所持していた拳銃で強盗と撃ち合いになったということです。
 この撃ち合いで錠さんは銃弾3発を顔面に被弾、通報で駆け付けた軍警察官に病院へ運ばれましたが、搬送途中で息を引き取りました。強盗グループは何も盗らずに逃亡しましたが、夫人の部屋の窓際付近に血が付着していたことから、強盗グループの1人が負傷したとみられています。地元警察で犯人の行方を追っていますが、覆面をしていたこともあり、10月31日現在、逮捕されたとの情報は入っていません。
 黒木家は同夫妻と90代の母親と息子の4人が同居しており、事件当時、母親と息子は別の部屋にいて、強盗グループとは遭遇しませんでした。一家は同日、早めに就寝していたようで、夫人の部屋の窓には防犯用の鉄柵もなく、暑さのためか窓を開けた状態にしていたところを狙われたようです。