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キノコ研究で石川ノエミアさんが勲章受章

 アマゾナス州マナウス市のブラジル国立アマゾン研究所研究員、石川・カズエ・ノエミアさん(45歳、三世)が8月11日、高等労働裁判所の労働司法勲章をキノコ研究で受章しました。受賞について石川さんは、「今回の受章は日本の奨学金で勉強したことも関係しており、日本のお陰でもあります」と日本への感謝を口にしていました。

 現在、ヤノマミ族の食用キノコの研究をしている石川さんは、ブラジルでシイタケ栽培先駆者の一人だった祖父、駒込信夫さん(故人)の影響を受けキノコ研究を始めて26年になります。彼女は現在、日・ブラジルを繋ぐ共同研究やヤノマミ族の食用キノコのレストランへの導入など、多岐にわたって活躍しています。

シイタケの中で育つ
 石川さんは、1972年にパラナ州ロンドリーナ市マラヴィーラ村生まれ。祖父の駒込信夫さんが岩手県から菌株(きんしゅ)を持ち帰り、1970年前後からシイタケの栽培を始めたこともあり、「煮しめ、ご飯、味噌汁など全部にシイタケが入っていた」というほどシイタケに囲まれて育ちました。15歳くらいになって初めて、自分の家庭や周りだけにしかシイタケがないことに気づいたといいます。

 駒込さんは孫の石川さんに「シイタケの研究をしたら博士にもなれるよ」という言葉を残しています。「キノコの研究に興味を持った」という石川さんに後継者として期待したのでしょう。彼女は祖父の期待を裏切らなかったわけです。

 91年にロンドリーナ州立大学生物学コースに入学、菌類学を勉強。97年10月から日本の文部科学省奨学金を受け、北海道大学の博士課程へ進学。同じキノコでもエノキダケに関連した研究で博士号を取得しました。北大で博士号を取得後帰国、現在は国立アマゾン研究所の研究員(国立アマゾン生物多様性技術院の副コーディネーターも兼任)を務めています。2009年には10カ月間、鳥取県の日本きのこセンターで日本人研究者と共同研究も行いました。

原住民の生活向上に貢献
 ヤノマミ族はブラジルとベネズエラの国境付近に住む原住民で、アラゲカワキダケやシイタケの近縁、ヒラタケの同属種などを含む15種類のキノコを食用にしています。石川さんは「研究ではインディオから学ぶことは多いし、インディオのためになるのも嬉しい」と話します。実際石川さんらの努力で、これらのキノコはサンパウロ市内のレストランで提供されており、その収益はヤノマミ族の生活向上に充てられています。

 今後の目標について石川さんは、「アマゾンのキノコを世界に広げ、アマゾンの人たちのサポートをしたい。おじいちゃんがブラジルにキノコを持ってきたこともありがたいことだけど、今度は逆にブラジルから日本にも持っていきたい。それが今の夢」と語りました。