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ブラジルで増加するアイルランドへの移住

 ブラジルのメディア4日付によると、アイルランドに移住するブラジル人が増加しています。外務省によると、2018年から2022年の間でヨーロッパ各国へのブラジル移民数は5倍以上になり、15,000人から約80,000人に急増しました。アイルランドへの移民も近年430%以上を記録しています。

 移民する理由は他の先進国と比較して比較的簡単に就労ビザや学生ビザを入手できることです。オーストラリアなど、交換留学生を多く受け入れる他の国では学生ビザでは働けませんが、この国では週に最大20時間働くことができます。しかも、ブラジルと比べ高給です。

 アイルランドに留学経験があり、今ではアメリカに住み、アイルランドに住みたいブラジル人専用のポータルサイトを運営するエドゥアルド・ジャンサンテさんは、アイルランドでは簡単に働くことができ、良い給料なのが、ブラジル人の魅力になっていると説明します。フードデリバリーで働くブラジル人は、1日8時間以上働くと給与は週1,300ユーロ(約7,000レアル)に達することもあると言います。

 ジャンサンテさんは「ブラジル人はとてもよく働き、アイルランド人に評価され、経営者はブラジル人を積極的に雇用する。そしてヨーロッパ人はアイルランドを魅力的とは思っていないため、労働市場にはブラジル人やその他の移民を求める人が沢山いる」と説明します。

 しかし、ブラジル人移民にとって、美味しい話だけとは限りません。同国の若者は移民に対して厳しい態度を取り、デリバリー中に襲いかかり自転車などを壊したり、配達員に石や卵を投げつける暴力沙汰がよく起きると言います。もっとも、若者は移民に対して嫌がらせをするのみで、窃盗などはしません。増加するブラジルの犯罪とは比較にならないとか。

 もう一つの問題は、最近の家賃や物価の値上がりで、これもマイナス要因と言います。