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ブラジルで新型コロナ変異体が増加傾向

 ブラジルのメディアによると、ブラジル診断医学協会とトドス・ペラ・サウデ研究所が30日、新型コロナウイルスの感染拡大についての報告書を発表しました。それによると、新型コロナウイルスの感染拡大がこれから最大6週間続くとしています。

 報告書では、ブラジルでは8月、月初めから新型コロナウイルス検査の陽性率が増加しました。 両研究所の調査によると、ウイルス検査で陽性となった人数は2倍になっています。この増加は、以前のコロナ流行期に見られたものと同じ傾向です。

 世界保健機関(WHO)は現在、新型コロナウイルスの変異体オミクロンからさらに変異したエリスを監視していますが、 エリスは感染力が高いにもかかわらず、重篤な症例や死亡を引き起こすことはありません。 WHOは「懸念される変異体」ではなく「関心のある変異体」という低いレベルとしています。

 ブラジルは冬で、コロナ感染の時期に直面しています。国民の大多数はすでに基本用量のワクチンを接種していますが、変異体に対する追加接種は対象国民の15%びしか適用されていません。ブラジル感染症学会は「感染者が増加する6週間、病気や移植のせいで免疫力が低下している人は人混みでは常にマスクを着用するなどの予防が必要」と話しています。

 感染症学者の小林カーラ氏は、「新型コロナウイルスは、季節的に影響を与える他の約20種類のウイルスと呼吸器ウイルスとして共存することを考慮する必要がある。ワクチン接種、獲得免疫、致死性が低く伝染性が高まるウイルスの進化のおかげで、今はパンデミック初期に見られた状況とは大きく異なっているが、それでも肺炎に罹患する可能性はある」と説明、警告しています。