中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

南米でコロナ感染者が急減する理由

 ブラジルの18日付メディアによると、南米とブラジルは新型コロナが急激に減少しています。減少の原因は科学者も説明がつかないとしていますが、幾つかの手がかりを掴んでいるようです。

 6月中旬、世界各地では新型コロナの新しい感染者数が減少し始めていましたが、南米各国はパンデミック震源地になりつつありました。一人当たりの死亡率が最も高い世界10カ国のうち7カ国がこの南米地域でした。南米は世界人口のわずか5%ですが、一人当たりの死亡率は世界平均の8倍に達していました。

 ところが南米地域では、7月以降、感染者数が減少し始め、パンデミックが抑制されているように見える地域になりました。オックスフォード大学の調査では、9月の第2週は、人口10万人あたりの感染者の週平均は英国で52例、米国で43例でしたが、ブラジルでは8例、アルゼンチンでは6例、コロンビアでは3例でした。

 感染者数の急激な低下について、米国のジョンホプキンス公衆衛生大学院医療システムの研究者は「完全に安心出来る状態ではないと思う。感染者が減少したのは初めてではなく、数週間後、新しい感染の波が現れている。問題が解決されたわけではない」と指摘、「インドでは感染者が大幅に減少した後、デルタ変異株が出現、増加に転じた」と警告しています。

 感染の専門家は、減少原因の幾つかの手がかりを指摘します。「一つは予防接種。南米諸国ではワクチン接種が加速し、ウイルス感染を抑制した可能性がある。と同時に、自然感染よって多くの人が免疫を獲得した可能性も否定できない」としています。最近コロンビアの12の都市で実施された調査によると、ここに住む人の89%がすでにコロナウイルスに感染した可能性が指摘され、免疫獲得で感染率が減少している」と考えいます。

 ただ、専門家は「南米にはデルタ、ガンマ、ミューといったような新しい変異株が出現する可能性があり、油断は出来ない」とも指摘しています。