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ブラジルで増加する奴隷状態の労働者

 ブラジルのメディアによると、ブラジル連邦検察庁は3日、ブラジル最高裁判所に「奴隷的な労働をさせた使用者の罪は時効を設けるべきではない」と要請しました。つまりこの種の犯罪に期限はないということを主張したことになります。

 ブラジルでは奴隷制に似た労働が増加しています。今年1~3月、ブラジル労働雇用省は少なくとも918人の奴隷に近い状況にある労働者を救出しました。救出者数は2022年1~3月と比較して24%増加しています。最近では、リオグランデ・ド・スル州のワイナリーで、ブドウの収穫時に雇われた207人の労働者が奴隷に似た状況から救出されました。

 その労働者の中には、奴隷状態に置かれたアルゼンチン人労働者4人(1人は父親と一緒の14歳)も含まれ、責任者は逮捕されました。

 ブラジル刑法は、強制労働や過労死させること、劣悪な労働条件に服させること、誰かを奴隷に類似した状態にする行為をした者に対して、2年から8年の懲役刑を定めています。ブラジル検察庁は「このような性質の犯罪に対して国が処罰する期限を設けることは、人間の尊厳、労働の社会的価値、自由で思いやりのある社会を築くという基本的な教訓に反することになる」と述べています。