中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

シリアで大地震に遭遇したブラジル人の体験談

 ブラジルのメディアによると、6日にトルコ・シリア両国を襲った巨大地震で3000人を超える犠牲者が出ていますが、この日たまたまシリアを訪れていたブラジル人旅行者2人が助かりました。2人はホテルに就寝中に地震に襲われましたが、ホテルは倒壊を免れ、怪我もしませんでした。以下は2人の恐怖の体験談です。

 被害をまぬがれたのはルーカス・サードさんとガブリエラ・ワケドさん。2人はシリアのアレッポにあるホテルに泊まっていて地震に遭いました。朝方、揺れで目を覚ましたルーカスさんは最初、部屋の壁に掛けられている絵が気になりました。絵が大きく動いていて、壁にぶつかるんじゃないかというほどの揺れかただったからです。

 以前にも地震に遭ったことがあるルーカスさんでしたが、揺れが長く続き、尋常ではないと起き上がりました。壁に寄りかかりながらドアまで歩き、ドアの外を見ると他の宿泊客が部屋を出ていくのが見えました。ガブリエラさんも、ひどい揺れで目が覚め、2人は、ホテルのロビーに降りました。そこには雇ったシリア人ガイドもいて、「この音と揺れは、地震ではなく反政府勢力か政府の攻撃かもしれない」と話します。ルーカスさんも最初は、「攻撃かもしれない」と思ったといいます。

 そこにまた揺れが来て、建物の中は危険というので、2人は広場に行きました。ガブリエラさんは「広場なら、もしビルが倒れても大丈夫」と考えたからです。この広場でスマートフォンを使って調べ、揺れは大地震ということを知りました。
 
 揺れが収まるのを待ち2人はホテルの戻り夜明けまで眠り、目を覚ました後、食べ物を探しに外に出ました。この時、店は閉まり、建物が破壊され、人々は震えています。これを見て2人は、地震の大きさに気づきました。細かい揺れが続く中、2人はホテルに戻ると荷物をまとめ、車でアレッポの街を後にしました。

 地震があったのは北部のため、南部に向かって車を走らせ、着いた南部の町では何事もなかったような日常生活が営まれていました。2人はこれからも、シリアの首都ダマスカスまで旅を続けるということです。