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ブラジルの司法長官が最高裁にクリスマス恩赦の一部は違憲

 ブラジルのメディア27日付によると、アウグスト・アラス司法長官は、ボルソナロ大統領が行ったクリスマス恩赦令のうち、カランダル虐殺と呼ばれる事件を起こした警察官の恩赦は違憲として最高裁判所に訴えました。アラス長官はこの政令の一部を直ちに停止するよう要請しています。

 カランダル虐殺は1992年にカランダル収容所で起きた反乱を抑えるために動員された治安部隊が111人の囚人を虐殺した事件で、動員された警察官らが有罪になりました。現在、罪判決を受けた警察官の5人が死亡し、69人が生存しています。

 アラス長官は「凶悪犯罪に対する恩赦は憲法に違反する」と指摘、この件に関する恩赦の中止を求めたものです。これにボルソナロ政権は「凶悪犯罪に分類される前の犯罪であり、恩赦は正当である」と主張、アラス長官はこの反論に「国際人権条約の遵守という憲法の義務に違反する恩赦だ」と強調しています。

 クリスマスの恩赦は、刑罰の赦しを意味し、毎年クリスマスの頃に出されます。恩赦の恩恵を受ければ、受刑者は刑が消滅します。

 ●「中南米の差新情報」は本日で年内は終わりです。来年は4日頃から再開します。それでは良いお年を。(チャレンジ・ブラジル)