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メキシコ前司法長官を人権侵害で逮捕、起訴

 ブラジルのメディアによると、メキシコ司法当局は24日、2014年に43人の学生が失踪した事件とその後の捜査に関わったとされる同国のジーザス・ムリージョ前司法長官に対する告発を「審理するのに十分な証拠があると判断した」と発表しました。

 事件は、ゲレロ州アヨツィナパ地方師範大学の学生43人が失踪した事件で、調査を担当した当時のジーザス司法長官は、目撃者に対する拷問、強制失踪、司法妨害で批判を浴びていました。ジーザス氏は19日に人権侵害で逮捕されており、事件への関与で批判を浴びていた司法関係者が初めて逮捕されたとあって、成り行きが注目されていました。

 メキシコの最高人権調査官は先週、この失踪事件を「国家犯罪」と呼び、同国の歴史上最悪の人権侵害のひとつと述べ、司法当局がジーザス氏の逮捕に踏み切っていました。

 5年間行方不明になっている学生43人の親族は25日、メキシコシティの司法長官室の前で若者たちの写真を掲げ、大勢の市民と一緒にデモを行いました。国際的な犯罪専門家は、「ムリージョ氏の調査は、目撃者に対する拷問と虐待に満ちている」と指摘しています。