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市場の混乱で新社会保障制度発表延期

 ブラジルのメディア19日付によると、ボルソナロ政権は19日、ボルサ・ファミリア(貧困家庭救済制度)に代わる新社会保障制度「アウシリオ・ブラジル」(Auxílio Brasil)の発表を延期しました。同制度の発表を前に、金融市場に不安定の波を引き起こしドルが上昇、株式市場で大幅な下落が起きたためです。

 同制度は大統領戦を前にボルソナロ大統領が仕掛けた人気取り政策とされ、2022年末までに1,700万世帯に少なくとも400レアルを援助するという内容です。この財源を政権は、金融関係の利益と配当に課税することで捻出するとしていました。このため市場が敏感に反応しました。

 もともと市場は、ボルソナロ政権の援助金は300レアル(ボルサ・ファミリアの平均は189レアル)とみていました。それが400レアルと判り,これはリスクと判断、ドルが流出しドルの切り下げを引き起こしました。こうした動きは、インフレを起こし、金利は高くなり、経済成長の停滞を招きます。世論調査では、もし今大統領選があれば、確実にボルソナロ大統領はルラ前大統領に敗北するという結果になっています。