中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ボルソナロ大統領、ワクチン信望者に宗旨替え

 ブラジルメディアによると、新型コロナによる死者が1日に3000人以上を記録した23日、ボルソナロ大統領はテレビで「12月末までにワクチン5億回分の量を確保する。これで国民は通常の生活に戻れる」と述べました。しかし、政府は4月30日までに提供されるワクチンは当初予定の5,710万回分から4,730万回分に修正しています。

 新型コロナの流行が始まってから12か月間、ボルソナロ大統領はブタンタン研究所製造のワクチン「コロナバック」を「中国ワクチン」と呼び、有効性に疑問を呈してきました。この日の演説で大統領は「常にワクチンに賛成してきた」と述べ、これまでの主張を変えました。

 ブラジルのメディアコンソーシアムによると、国内のワクチン接種は23日現在、人口の6.04%が予防接種を受けています。これは接種回数1,710万回に相当します。接種が進んでいないのは、ワクチンが不足しているためで、上院は23日、より多くのワクチンを購入できるよう国際社会に「上訴」する動議を可決しました。上訴書は、G20諸国、経済協力開発機構、外交関係を維持している国に送付される予定です。

 大統領のワクチン擁護声明は、これまでの大統領声明とは正反対です。たとえば、昨年12月、大統領はバイーアで「ワクチンは接種しないことだ。こう言う私を批判するのは馬鹿ものだ」と述べています。また、「予防接種を受けて体調を崩しても、私は責任を負わない」とも述べました。その他、大統領は群衆の前で、マスクを使用をしませんでした。医師や専門家が、コロナの拡大を抑制するためにはマスク使用は不可欠と提唱していたにもかかわらずです。