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ブラジルのコロナ死、30万人超え

 ブラジルのメディアによると、ブラジル人のコロナ死が24日、とうとう30万人を超えました。これは1日に3,000人の死亡を確認した翌日にあたり、メディアは、保健省の通知システムの変更で発表が遅れ、実際はもっと早く30万人を突破していたのではと報じています。

 各地方自治体の知事、市長は死亡者の増加を受け感染抑制の規制策を次々に打ち出していますが、あまり効果が見られません。高い伝染力、医療現場の崩壊、ワクチン接種の遅れなどが重なったうえに、ブラジル変異種の蔓延で、感染者、死亡者ともに増加を続けています。メディアの中には「抑制のための国の方向性が見えない」と、政府の無策を批判しています。

 ブラジルの累積コロナ死は300,015人で、確認された累積感染者は12,183,338人にのぼっています。地方自治体の首長は、厳しい制限措置を発令、ウイルス蔓延を食い止めようと必死です。しかしブラジルでは、他の国で実施されているような完全な都市封鎖(ロックダウン)は行われていません。メディアは、パンデミックに対処するための効果的な国の指示がなく、隔離政策がうまくいっていないと指摘しています。医療は崩壊し、ICUは満杯、医療従事者は疲れ果てています。

 ブラジルの死亡者数は、3月5日に米国を追い抜きました。死亡者数が最も多いのはブラジルの他4か国(メキシコ、インド、英国、米国)です。米国はジョー・バイデン大統領が就任した1月以来、予防接種政策が強化され、毎日の死亡者数が大幅に減少しています。一方、ブラジルでは状況が大幅に悪化しています。現在、欧州連合27か国すべてを合わせた死者数を越えています。