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アビアンカ航空が破産申請

 ブラジルメディアによると、中南米で2番目に大きい航空会社アビアンカ航空(拠点はコロンビア)は10日、コロンビア政府との支援交渉がまとまらず、ニューヨークの連邦破産裁判所に破産を申請しました。負債総額は10億ドルから100億ドルと推定されています。

 同社は3月末から定期旅客便を運航せず、20,000人の従業員のほとんどに給料が払われていませんでした。新型コロナウイルス危機による、世界で初の大手航空会社の倒産になります。同社幹部はプレスリリースで、「我社は100年の歴史の中で、最も困難な危機に直面している」と述べています。

 世界でも古い航空会社であるアビアンカ航空は新型コロナ以前にも倒産の危機を経験しており、そのときはボリビア生まれの石油企業家の出資で危機を脱しました。新経営者のもと同社は積極的な経営姿勢で営業を拡大してきましたが、負債が膨らみ、コロナ危機前から経営の悪化が指摘されていました。

 これに加え同社を救済した企業家が、社内クーデターでユナイテッド航空の経営幹部から追放され、ユナイテッドからの融資もおぼつかなくなったことで、倒産に拍車がかかったと見られています。アビアンカ航空が破産すれば、ユナイテッドはアビアンカへの融資資金7億ドルほどが焦げ付くと言われています。