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前労働者党会計役宅を家宅捜査=ペトロブラス汚職=

 地元メディアによると、連邦警察は5日、国営石油会社ペトロブラス社が関与した汚職事件の特別捜査「第9次ラバ・ジャット作戦」を開始しました。今回は容疑者の一人レナト・ドゥッケ前部長のあだ名「マイウェイ」から「マイウェイ作戦」とも呼ばれています。
 サンパウロ州、リオ州、バイア州、サンタ・カタリーナ州では、大半が企業活動の実態のない「見せかけ企業」といわれる26企業が捜査対象となっています。ペトロブラス社内では11人の実行役(オペレーター)が賄賂の支払いを行っていたことがこれまでのところ明らかにされています。
 連邦警察と検察局は税務当局を伴って昨年11月に強制連行した労働者党の財務担当者だったジョアン・バッカーリ・ネット容疑者宅(サンパウロ市)の家宅捜査に着手するに当たり、連邦検察局のカルロス・リマ検事は「バッカーリ・ネット容疑者がペトロブラス社と契約関係にあった人々に要求したとされる合法および非合法の『献金』についての情報を追っている」と説明しました。労働者党が「献金」を受け取っていたかという問いに対してリマ検事は「献金は必ずしも法的なルートを通るわけではないため、行先は不明だ」と述べるにとどまりました。

ワイロ額は10年間で1億5000ドルから2億ドル

 ペトロブラス社エンジニア部門で課長だったペドロ・バルスコ・フィーリョ容疑者は「労働者党は90社から1億5000万〜2億ドルの賄賂を2003〜13年にかけて受け取ったはずだ」とし、「バッカーリ・ネット容疑者は13年3月までに450万ドルを着服、収賄は昨年2月まで継続していた」と証言しています。
 今回捜査の手が伸びたサンタ・カタリーナ州でも大規模企業が家宅捜査の対象となっています。連邦警察によると、この会社は国営のBR(ペトロブラス)ジストリブイドーラ社に贈賄していた可能性があり、引き換えに優先的に契約していたとみられています。

各地で家宅捜査、収監へ向けて始動

 「マイウェイ作戦」全体では、サンパウロ市で10件の家宅捜査と2件の強制連行の令状が執行され、リオ市では12件の家宅捜査と8件の強制連行のほか収監の令状が出ています。バイア州サルバドール市でも2件の家宅捜査と1件の強制連行が出され、サンタ・カタリーナ州ではイタジャイ市、バルネアリオ・カンボリウ市、ピサラス市、ナベガンテス市、ぺーニャ市、パルミット市の企業や関連する個人を対象に16件の家宅捜査、7件の強制連行、3件の収監の令状が出ています。