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連邦警察、下院議長公邸を家宅捜索=ペトロブラス汚職=

現職大臣や国会議員も対象

 地元での報道によると、連邦警察は15日早朝から、ペトロブラス汚職に関連してエドゥアルド・クーニャ下院議長(ブラジル民主運動党=PMDB)のブラジリアの議長公邸およびリオ市の事務所などを家宅捜索しました。連邦最高裁判所の決定によるもので、連邦検察庁と連邦警察の合同で実施したものです。同議長のほか、ブラジル民主運動党の現職大臣・国会議員なども捜査対象になっています。
 連邦警察はリオ、サンパウロ、ブラジリアなど計53カ所(7州および連邦直轄区)で捜索押収令状を執行、自宅や議員事務所、会社、公的機関や弁護士事務所などを捜索しました。連邦検察庁は8月、2006年から12年の期間にペトロブラスの掘削船建造に関連して500万ドルの賄賂を受け取った疑いでクーニャ議長を最高裁に告発しています。
 同議長のほかにこの日捜索対象となったのは、セルソ・パンセラ科学技術大臣(PMDB、リオ州)、エンリケ・エドゥアルド・アルベス観光大臣(PMDB、リオ・グランデ・ド・ノルテ州)、エジソン・ロボン上議(PMDB、マラニョン州)、フェルナンド・ベゼーラ・コエーリョ上議(ブラジル社会党ペルナンブコ州)、アニバル・ゴメス下議(PMDB、セアラー州)とトランスペトロ社のセルジオ・マシャード元社長など。同議長の指名で先週まで連邦貯蓄銀行の政府・宝くじ基金副総裁を務めたファビオ・クレト氏、リオ州ノバ・グアスの市長や同州選出の元下議も対象になっています。今回の家宅捜索の目的について連邦警察は、捜査対象者による重要証拠の隠滅を避けるため、と説明しました。
 パンセラ大臣はペトロブラス汚職捜査の減刑付き供述でクーニャ議長との関連が証言され、ゴメス下議もペトロブラス社との関連について最高裁の調査対象になっています。ロボン上議(元鉱山動力大臣)もアングラ第3原子力発電所の工事にからんだ賄賂受け取りの疑惑が減刑付き供述で証言されています。

クーニャ議長の任期剥奪請求 下院倫理審査会が審議継続決定

 連邦警察がクーニャ下院議長の公邸などを家宅捜索したことを受け、同議長の任期剥奪請求を審議する下院倫理審査会が15日に開かれました。同議長は3月の議会ペトロブラス調査委員会で国外における銀行口座の保有を否定しましたが、その後同氏関連と見られる口座がスイスにあることが発覚し、議会調査委での偽証の疑いで任期剥奪請求が出され、下院倫理審査会で審議が行われていました。
 その後、同請求の審議継続の是非を問う投票が行なわれる予定でしたが、投票は過去7度延期されていました。この日、ジョゼ・カルロスアラウージョ委員長の元で投票が行われ、賛成11、反対9で審議の継続が決まりました。継続決定を受け、クーニャ議長は10日以内に自身の弁明書を提出することが求められます。