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日本庭園の茶室が全焼

 1月18日午後、サンパウロ州コチア市にある日本庭園内の茶室(カーザ・デ・シャー)が全焼する火災が起きた事がサンパウロ新聞の取材で分かりました。現在、茶室は屋根や柱が残っているものの、壁は焼け落ちて、内部が丸見えの状態になっています。詳しい火災原因は分かっていませんが、普段から火の気が少ない場所であり、放火の疑いも持たれています。
 同公園はラポーゾ・タバレス通り沿いにあり、1998年にコチア市と高知県吾川郡いの町が友好都市提携したのを記念して造られたものです。公園は数年前から道路拡張のために移転の話も上がっており、政治絡みによる嫌がらせの疑いも出ています。
 火災発生当日、ラポーゾ・タバレス通りを車で走っていた村田重幸コチア青年連絡協議会副会長によると、公園から煙が見えたので車を止めて内部に入ると、既に茶室は屋根と柱を残した状態で黒焦げになっていました。茶室のすぐ側にあるコチア産業組合初代理事長だった故下元健吉氏の銅像や記念碑には、被害はありませんでした。
 サンパウロ新聞の取材で火災を知ったコチア旧友会前会長の遠藤健吉氏はショックを受けていました。遠藤氏は「毎年ミサの前にはコチア市関係者が公園内をきちんと清掃してくれているし、お世話になっている。(下元氏の)銅像に近い茶室が焼けたのは残念だ」と話していました。
 旧友会は、コアチ青年連絡協議会と下元氏の遺族とともに毎年9月下旬に公園近くの教会でコチア関係者の先没者合同ミサを開いており、ここ5年はミサの後に公園内で下元氏の銅像や記念碑に献花することを恒例にしています。