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ジルマ大統領がキャメロン首相に留学ビザで苦言

 地元メディアによると、ロンドン五輪開会式出席のため訪英中のジルマ大統領が、デビッド・キャメロン首相と会談しました。会談の中でジルマ大統領は、外国人に対する英国の厳しい入国規制と海外留学支援制度「Ciencia sem Fronteiras」奨学生への英国側の対応に苦言を述べました。
 ジルマ大統領は、留学生が英国の学生ビザ取得で困っているとして強い不満を示しました。英国政府は留学目的で入国する場合、英語の学力テストを受けるよう義務付けており、結果的にブラジル人学生の入国を拒否する手段になっているとしていま。
 海外留学支援制度は海外留学や国際交流を通して科学・技術分野の革新や競争力を向上させ、豊かな人材を育てるためにジルマ大統領が推進しているもので、今後4年間で7万5000人の留学生を送り出すことを計画しています。
 ブラジル政府は昨年、英国の大学約100校と交換留学制度を結びました。合意書によると、ブラジル政府が留学生に学費と生活費を支給する代わりに、英国政府は大学の籍を保証し、学生ビザ取得の簡易化を約束しています。現在、奨学金を受給できる期間が残っていても英国に滞在するためのビザが更新できないなどのトラブルが続出しており、留学生らは研究や学業を断念して帰国を余儀なくされています。