地元メディアによると、大統領府は18日、ジルマ大統領がジョアキン・レビ財務大臣が退任、後任にネルソン・バルボーザ企画予算管理大臣が就任すると発表しました。発表の中で大統領は、これまでのレビ氏の働きに感謝し、経済危機に立ち向かう中で果たした役割を称えました。
大手投資銀行出身のレビ氏は第2次ジルマ政権発足から政府の経済政策を先導し、政府支出を抑制する財政健全化路線を進めてきました。11カ月半での退任となります。企画大臣の後任は連邦総監督庁(CGU)長官のバルジール・シモン氏です。
レビ氏は来年度予算で国内総生産(GDP)の0.7%の基礎的財政収支黒字目標を主張しましたが、政府は生活扶助制度「ボルサ・ファミリア」の財源確保のため同目標を0.5%に引き下げた予算案を議会に提出、16日に承認されました。翌17日の国家通貨政策審議会でレビ氏が辞任を示唆する発言をし、後任候補としてバルボーザ氏の名前が報じられていました。レビ氏の退任で、通貨レアルの対ドル相場は1.75%安の3.9614に下落、ボベスパ指数も2.98%下落しました。レアルの対ドル相場は21日午後には1ドル=4レアルを突破。午後3時過ぎには1ドル=約4.02レアルまで落ちました。
レビ氏は18日に年末メッセージを発表。その中で、ブラジル経済が再び成長するため、確かな政策と財政調整、変化に加え、政治の安定の必要性と訴えています。
バルボーザ氏は18日に大統領府で行なった会見で、レビ氏が進めてきた財政調整路線を継続し、財政の安定が持続的成長をもたらすとの考えを述べました。また、政府債務の利払いのため基礎的財政収支黒字目標を達成することが、インフレをコントロールし、再び経済を成長させる条件と指摘し、社会保障制度改革の必要性にも言及しました。