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サンパウロ州の投資、鉄道路線拡張を最優先

 現地での報道によると、ジェラルド・アルキミン州知事は15日、2012〜15年度の投資計画案で、地下鉄と郊外電車のインフラ整備を最優先課題とすると発表しました。新プロジェクトは予定になく、ジョゼ・セーラ前知事時代の計画をそのまま受け継ぐものと見られます。
 アルキミン州知事が提出した多年度投資計画の中には、08〜11年度の多年度投資計画で今年末までに完工予定となっていたサンパウロ市地下鉄4号線と5号線の工事計画も含まれています。サンパウロ州政府が今後4年間で投資する1186億レアルのうち、38%が電車と地下鉄のインフラ整備に充てられます。
 現在、サンパウロ市の地下鉄網は全長70キロに達していますが、アルキミン知事は任期満了となる14年までに30キロの地下鉄工事を終了させ、残りは95キロのみにしたい考えといわれます。

新快速列車やVLTについても言及

 投資計画案には、高架モノレールの建設工事案についても述べられており、地下鉄2号線をはじめ、郊外電車9号線とコンゴーニャス空港を直結する郊外電車17号線もメトロ路線と同じ扱いになっています。専門家は、従来の地下鉄は1時間当たり6万人の輸送能力があるのに対し、モノレールは1時間当たり2万5千人であることから、単純にモノレールと地下鉄を同一視してプロジェクトを推進することはできないと論評しています。
 新快速列車の「グアルーリョス・エクスプレス」「ABCエクスプレス」やサントス地方で運行予定の軽鉄道 「VLT」の導入案についても触れられ、VLTの第1段階はサントス港とサンビセンテ市間の開通を目指すとしています。